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診療科

歯科

お口の悩みお気軽にご相談ください

~ごはんがおいしく食べられるように~

犬と猫の歯について

犬の永久歯は42本、猫は30本あります。
主に肉食である他の犬科・猫科動物と比べ、ペットとして飼われている犬猫は食事内容のちがいや寿命が延びたことが影響して、歯や歯肉の病気が増えています。
口内環境に問題があると痛みが生じて食事がしづらくなるというだけでなく、歯周病の原因となる細菌が肝臓・腎臓・心臓など全身の病気を引き起こす可能性があります。
当院では歯の治療だけでなく、日頃のデンタルケアにも積極的に取り組んでおります。
お悩みの際はスタッフまでお気軽にご相談ください。

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乳歯の生え変わりについて

犬や猫も人間と同じように歯が一度だけ生え変わります。
大半の歯は乳歯が生えていた場所に永久歯が生えてきますが、犬歯(きば)は注意が必要です。
乳犬歯の隣に永久犬歯が生え始め、永久犬歯は乳犬歯が抜けた箇所へ移動していきます。
ですので、乳犬歯が抜けずに残っていると永久犬歯は移動できずに歯並びが悪くなり、他の歯にぶつかって痛みを生じたり、歯周病になりやすくなってしまいます。
乳歯は4ヶ月齢頃から生え変わります。この時期は特にお口の中を数日ごとにチェックしましょう。
自然に抜けない場合には適切な時期に乳歯の抜歯をしてきれいなお口を作る準備をしましょう。
(生え変わりチェック、抜歯は当院にご相談下さい。)

この写真は上顎の乳歯遺残です。
水色矢印は本来抜けているべき乳歯です。永久犬歯(黄緑色矢印)は乳犬歯より前(鼻寄り)に生え始め、乳犬歯が抜けるとその場所へ移動します。
乳犬歯が抜けないまま放置されると永久犬歯は正しい場所に移動することが出来ません。

上顎の乳歯遺残

これは下顎の乳歯遺残です。
水色矢印は残ってしまった乳歯、黄緑矢印は永久歯で、抜けなかった乳歯が邪魔をして歯並びが悪くなっています。
特に下顎の乳犬歯が抜けずにいると、その内側に生えてきた永久犬歯が移動できないまま成長し、上顎にあたって傷つけてしまうことがあります。乳犬歯は永久犬歯が1/3位生える頃には抜けて欲しいものです。
生え変わりの時期はこまめに病院でチェックしましょう。

下顎の乳歯遺残

歯周病について

犬の重度歯周病
重度歯周病

犬猫で最も多い歯の病気は歯周病です。
3歳以上の犬猫の約80%は歯周病をもっているといわれています。
ヒトでよく見られる虫歯は犬猫には滅多に見られません。

歯周病の原因は食べかすや唾液で作られる歯垢です。歯垢の約70~80%は細菌でできていて、この細菌が炎症を起こして歯茎の腫れや痛みの原因となります。やがて炎症が進行して、歯周ポケット(歯と歯茎のすきま)を形成します。このポケットに歯垢がたまると炎症はさらに深いところに進み、歯がぐらぐらするようになります。ぐらぐらの歯は土台(歯周組織)が破壊されているので通常元に戻すことは困難です。
したがって歯周病は早期発見が大事なのです。

歯石は歯垢が石灰化したもので、歯周病の直接の原因ではありませんが、歯石の表面はざらざらなのでさらに歯垢がつきやすくなり歯周病を悪化させるリスクの一つとなります。犬の場合わずか3~5日、猫の場合約1週間で歯垢が歯石になってしまい、一度歯石になると歯みがきでは落とすことはできません。

犬猫の歯周病の詳しい検査と治療には全身麻酔が必要です。
歯周病の治療はまず歯の表面の歯垢・歯石を除去し、次に歯周ポケットをクリーニングします。
歯周ポケット内を清潔にしないと歯周病の進行を止めることはできません。
歯周病の進行してしまった歯は抜歯の適応となることがあります。
そうなる前に、歯周病を早期発見して適切な治療を受けましょう。

歯科診療の流れ

1.診察

まずは、お口の中の診察をします。口臭、歯肉の状態、歯垢・歯石の度合い、歯の状態などを見てどのような治療が必要なのかご説明します。

2.術前検査

ワンちゃんネコちゃんの歯のクリーニングや治療を安全に行うためには全身麻酔が必要です。
安全に実施できるように、身体検査・血液検査・超音波検査など必要に応じて事前に検査を行います。
なにか問題がみつかった場合は、麻酔をかける前にそちらの治療を優先する場合があります。

3.ご予約

全身麻酔下での歯科処置は予約制となります。来院時またはお電話でも受け付けております。

4.治療当日

朝ごはんを抜いてご来院ください。
当日の術前検査に問題なければ、麻酔をかけて歯の治療を行います。
当院ではさまざまな鎮痛薬や局所麻酔薬を組み合わせて動物の痛みを軽減するようにしています。

歯科治療の実際

1. 全身麻酔下での口腔内検査

歯の本数や形態、歯垢・歯石の付着程度、歯肉の状態、歯周ポケットの深さ、歯の動揺度を調べたり、場合によって歯科用レントゲン撮影を行い詳しく歯の状態を検査します。
無麻酔では口腔全体(特に舌側の歯や歯肉、奥歯)の検査が難しいため、この時に初めてきちんとした診断がつきます。

歯科レントゲン装置
歯科レントゲン
装置

レントゲン写真
レントゲン写真

処置前
処置前

プロービング
プロービング

2. 歯石除去(スケーリング)

超音波スケーラーで歯の表面の歯石を除去します。

スケーリング
スケーリング

3. 歯周ポケットのケア(ルートプレーニング)

歯と歯肉の隙間に入り込んだ歯石や汚れたセメント質などを除去してなめらかにします。

ルートプレーニング
ルートプレーニング

4. 歯面研磨(ポリッシング)

微小な歯石を除去し、歯の表面をなめらかにするために研磨します。 荒研磨と仕上げの2段階に分けて行います。

ポリッシング(荒研磨)
ポリッシング(荒研磨)

ポリッシング(仕上げ)
ポリッシング(仕上げ)

5. 歯周外科

歯周病の進行した歯に対して抜歯などの処置をします。状況によっては歯肉の縫合を行います。

抜歯
抜歯

6. 洗浄

最後に口腔内をよく洗浄します。
歯周ポケットにレーザーを照射したり、抗生物質の軟膏を注入することもあります。

処置後
処置後

歯が割れてしまったら…(歯冠修復・歯内治療について)

露髄
露髄

固いものを噛んだりぶつかったりなどして歯が割れてしまった場合には放置せずに治療を行いましょう。
歯の表面にあるエナメル質が欠けて神経が露出した場合、大変な痛みを伴いますし、ばい菌が侵入して歯が壊れていき、放置すると抜歯するしかなくなってしまいます。
歯の破折は犬歯や奥の大きな歯に起きることが多く、いずれも動物にとって重要な歯ですので可能な限り残す治療をおすすめします。受傷してすぐであれば神経を残して歯を生きた状態で温存することが出来ます(おおよそ48時間以内)。歯髄(神経)が傷んでしまった場合には、歯髄を取り除いて(神経を抜いて)歯を残すことが出来ます。適切な処置を行い修復することで欠損部位は目立たなくなります。

歯冠修復前
歯冠修復前

歯冠修復後
歯冠修復後

思わぬ事故を防ぐためにもわんちゃんや猫ちゃんのおもちゃにはひづめ・骨などの固いものは避け、歯をいたわってあげてください。

また、噛み合わせが悪く歯同士がぶつかっている箇所も痛みを生じやすく、ひどい場合には口が閉じられなくなったり、上顎に穴が開くなど口の中を傷つける原因になります。
その場合には歯列矯正や歯を短くする処置を行います。

歯冠短縮1
歯冠短縮1

歯冠短縮2
歯冠短縮2

専門的な治療になりますので、歯科担当医にご相談下さい。

ホームケアについて

歯周病の予防に最も重要なのはおうちでのデンタルケアです。 歯周病の治療を行ったあとも、放っておくとすぐに新たな歯垢・歯石が溜まってしまいます。 まずはお口を触らせることに慣れさせてから、ガーゼや歯ブラシを使って歯を磨きましょう。 あせらず、無理せず、褒めながら少しずつ行います。 ご自宅で試してうまくいかない場合、当院では歯みがき教室を行っておりますのでぜひご参加ください。 またうまくケアできているかどうか定期的に診察することをおすすめします。

歯みがきのポイント
  • 歯ブラシはヘッドが小さく毛の柔らかいものを選びましょう。
  • 歯ブラシは水にぬらして、ペットの好きな味のペーストをつけましょう。
  • 歯周病や口内炎などがあると痛みにより歯みがきが嫌いになってしまうので、治療をしてから行いましょう。治療後は約2週間歯肉や癒えるのを待ってからケアを開始しましょう。

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