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症例紹介

消化器科

腸内異物

あけましておめでとうございます(遅くなってしまいました・・・)
副院長の池田です。

新年を迎え、気持ちを新たにホームページでの情報発信に取り組んで行きたいと思います。
日頃の診療や学んだことなどから皆様に少しでも役に立つものをお伝えしていきますので、よろしかったら時折覗いてみてください。(不定期更新です)

昨年の大晦日は(新年を迎えているのに昨年のお話から始まってしまい申し訳ない)、病院で急患の方の治療を担当していました。
当院では休診日や夜間も必ず数名のスタッフがおり(入院の方達の治療も行っています)、年末年始の休診中も急患の方を対象に診療を行っています。

この日は入院の方も多かったので、朝から当番のスタッフが手を休めることなく動物たちの治療やお世話に当たっていたのですが、一頭のワンちゃんの飼主様からお電話があり、2日間吐き続けているので診て欲しいとご相談がありました。
2日間も吐き続けているというのは心配ですし、すぐにご来院頂き、他の治療の隙間を縫って診察したところ比較的重度の脱水が見つかりました。異物を飲み込んだ記憶はないとの飼主様からの情報もあったのですが、それにしても激しい胃腸炎でしたので、念の為に画像検査を行ってみましたが、X線にははっきりした異物は見当たりません。ただの急性胃腸炎にしては症状が重く、違和感が強かったのでさらに超音波検査を行ったところ十二指腸という小腸の一部に何か異物のようなものを疑う所見が診られました。

見にくいかもしれませんが、+ +の間が異物です

一昔前には腸閉塞はバリウム検査で診断することが一般的でしたが、現在は医療機器の発達もあり、超音波検査で診断がつくことが多いです。バリウム検査は腸に対する刺激が大きすぎるので(詰まっているところにさらにバリウムが流れていくので)、超音波検査で診断できるというのはとても体に優しい方法です(ただ、胃の中などガスが多いと見つからないこともあります)
飼主様からは異物を飲み込んだ記憶はないとのことでしたので、悩んだのですが、やはりしっかり確認した方が安全だろうというところで、急遽手術に踏み切ったところ、何とさつまいものヘタの部分が消化されずに十二指腸という小腸の一部に詰まっていました。これは確かに飼主様も異物だとは思いません(私も事前に聞いていたらたぶん消化できるだろうと思ってしまいます)。切開して取り出した後は比較的早期に処置を行うことができたこともあり、経過もよくつい先日無事退院することができたのですが、油断すると命を落としかねなかっただけに無事助けることができて良かったです。
皆さんも、もしワンちゃんや猫ちゃんが急にたくさん吐いてぐったりするようなことがあったら、まずはご相談ください。
意外なものが見つかるかもしれません。

取り出したさつまいものへた部分