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症例紹介

皮膚科

疥癬

こんにちは、獣医師の平野です。
暖かくなってきて、過ごしやすい季節になりましたね。
今回はこの季節から増えてくる皮膚病のひとつ「疥癬」をご紹介したいと思います。

疥癬とは?

疥癬とは、ヒゼンダニというダニが感染して生じるとても痒い皮膚病です。ヒゼンダニは感染力が強くワンちゃんたちの間を瞬く間に広まっていきます。

ヒゼンダニは犬猫に付着するマダニとは種類が異なるダニで、肉眼では見えない小さなダニです。また、通常のノミダニ予防薬では予防する事ができません。

この皮膚病は多数のヒゼンダニの寄生により大量のフケが出る角化型疥癬と、ヒゼンダニに対して体がアレルギーを起こすアレルギー型疥癬に分類できます。アレルギー型疥癬は犬に多いアトピー性皮膚炎に非常に類似した症状であるため、混同されてしまうことがあります。アレルギーの治療を受けても改善しない場合には疥癬が隠れているかもしれません。

症状は?

非常に強い痒みが生じます。痒みは昼夜問わず認められ、夜も眠れないこともあります。

赤いプツプツやフケが耳、肘、膝、お腹にみられます。
また、人にも感染し痒みや湿疹を引き起こすことがあります。


診断方法

皮膚の表面をこすり、フケを採取し、顕微鏡でヒゼンダニを探します。
寄生しているヒゼンダニの数が多い場合はこの検査で見つかりますが、アレルギー型疥癬の場合は検査でダニがみつからないことも多いです。
その場合は試験的に駆虫薬を使い皮膚が改善するかを診ていく、診断的な治療を行います。

治療

注射やスポット剤の駆虫薬でヒゼンダニを駆虫します。
他にも、再感染や感染拡大を防ぐのに環境の整備や同居犬の予防も同時に始めていきます。

疥癬の症例

秋田犬 2歳♀

  • 強い痒みがあり、アトピー性皮膚炎の治療を受けても改善ないため、当院皮膚科を受診。
  • 駆虫注射による治療を実施。

5ヶ月後

駆虫薬に対する反応は良好で、現在では痒みやフケもなくなり、脱毛していた部分に毛が生えました。痒みのストレスから開放されて、元気もでました。

疥癬は、症状が犬に多いアレルギー性皮膚炎に似ていることや、検査での診断が難しいケースがあることから、系統だった皮膚科のアプローチが必要になります。
治療を行っているけれども痒みが良くならない場合には、当院皮膚科担当医にご相談ください。