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症例紹介

眼科

眼瞼内反症

眼瞼内反症とは?

眼瞼内反症は、眼瞼(まぶた)が内側に反転する病気です。
原因は大きく先天性と続発性の2つに分類されます。

先天性
純血種の犬や猫に多く見られ、眼瞼の幅が短い種や長い種、眼周りの皮膚の弛みが多い種でよく認められます。
成長期に発症する子が多いです。

続発性
眼の痛みや眼周りの皮膚の異常によって引き起こされます。

症状

眼瞼皮膚や被毛が角膜を刺激することで痛みが生じ、眼脂や流涙、眼瞼の痙攣などが認められます。
経過が長くなると角膜の炎症により、角膜に混濁や血管新生を生じることもあります。

治療

先天性
外科手術による矯正が必要です。
成長期の子供では一時的に縫合糸で矯正し、成長による改善を待つこともあります。

続発性
原因疾患の治療や、コンタクトレンズなどによる疼痛の緩和が行われます。

 

症例紹介

検査

猫種:マンチカン
年齢:7歳1ヶ月

主訴
家に来て以来、涙や眼脂が絶えず出ており、眼を細めている。
他院で抗生剤治療を受けたが、改善しななかった。
過去には角膜潰瘍が悪化し、入院したこともあった。

所見
来院時には眼脂と流涙、痛みによる眼瞼痙攣が認められました。
眼脂には炎症細胞が認められましたが、細菌は検出されませんでした。
角膜には混濁、血管の新生が認められました。
また、下眼瞼の全域において内反が認められ、常に角膜に下瞼の毛が触れている状態でした。

初診時 右眼 初診時 左眼

 

治療

若齢からの長い経過や、痛み止めの点眼でも改善しない事から先天性の眼瞼内反症と診断しました。
下眼瞼全域において内反が認められた事から、外科的な矯正をご提示しました。
内反を生じている部位や幅により術式は異なりますが、今回はHotz-Celsus
ホッツセルサス
変法という術式を選択しました。

これは、下眼瞼の皮膚を三日月型に切開、切除して縫い合わせる術式です。
術後は1ヶ月程度エリザベスカラーを装着し、点眼を続けて頂きました。

皮膚切除後 縫合後

 

2ヶ月後の様子

術後の経過は良好で内反は改善し、涙や眼脂は出なくなりました。
角膜の混濁、新生血管もほとんど認められなくなりました。

右眼 左眼


また、日常生活においても活動性の向上が認められました。

Before After