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整形外科

整形外科について

当院整形外科はわんちゃん・猫ちゃんが楽しく遊んで楽しくお散歩ができる身体作りをお手伝いする診療科です。骨・関節・筋肉の病気により足がびっこをひいている状態<跛行>を適切に診断し治療をいたします。 跛行の原因となるのは整形外科の病気だけではなく、神経の病気・免疫の病気・内分泌(ホルモン)の病気などもあります。そのため、多様な検査の中から必要な検査を組み合わせて正確な診断をしていきます。さらに整形外科疾患には生まれつきの異常(奇形性)や成長期の発育段階で発症する異常または加齢性に悪化してくる異常など病気になる時期も多様です。
特にわんちゃんでは奇形や成長期異常の病気が多く、幼少期に適切な診断と治療を受けられずに重篤な状態にまで悪化させてしまうケースも少なくありません。(猫ちゃんでも特定の猫種では同様のことが起こりえます。)このため、明らかなびっこが見られる前の段階で受診していただくことをお勧めします。(以下に跛行の初期症状を記します)

担当医

嶋田

初期症状

  • 歩いている途中に片足を伸ばす仕草をする
  • お尻を左右に振りながら歩く
  • 4本足で起立している姿勢の時に、前足あるいは後ろ足がガニ股(O脚)になっている
  • 4本足で起立している姿勢の時に、前足あるいは後ろ足が内股(X脚)になっている
  • 抱き上げた時に後ろ足がクロスしている
  • 爪の背面(本来地面と当たらない側の面)が擦れて削れている
  • 歩いている時に「シュッシュッ」「カチッカチッ」と爪が擦れる音がする
  • 上手にお座りができない(後ろ足がお姉さん座りやあぐらをかいたような座り方になってしまう)
  • 長時間のお散歩ができない(疲れやすい)
  • 高いところに登らなくなる/登れなくなる
  • 歩幅が狭くなる

診療の流れ

  1. Step01問診

    予防歴や食欲や元気の有無、排便・排尿状態などをお聞きします。
    跛行が起こる前の状態を詳しくお聞きします。

    姿勢/歩様検査
    立って止まっている時の姿勢と歩いている時の様子から異常のある足(患肢)を確認する検査です。
    整形学的検査
    四肢の骨、関節、筋肉、腱、靭帯を触診する特殊な徒手検査です。患肢のどの部位に異常があるのかを調べるために行います。整形外科疾患が疑わしい時に必ず行う最も基本的な検査になります。
    神経学的検査
    脳神経、脊髄神経、末梢神経の異常を確認するための基礎的な検査です。跛行診断で悩まされるのが神経の異常によるびっこ(跛行)です。あたかも整形疾患による跛行のようにみえて実は神経疾患による跛行だった…というケースは少なくありません。また合併症や併発症として神経疾患が隠されていることもあります。経過、症状、年齢、犬種/猫種により必要がある時には整形学的検査に合わせて行う検査になります。
    レントゲン検査
    整形学的検査により患部が診断されたのちに行う検査です。骨折、脱臼、骨腫瘍、成長期異常などを診断します。レントゲン検査は診断だけでなく、外科適応症例では術前計画のための正確な計測にも用います。性格や痛み(症状)の程度に応じて鎮静処置が必要となることがあります。
  2. Step02診断・説明

    検査結果をもとに診断やさらに必要な検査、治療法などをご説明させていただきます

    ※ 以下の検査は、わんちゃん・ねこちゃんの症状・経過・年齢・犬種/猫種などから特殊な疾患や合併症などが疑われる場合に選択して実施されます。

    血液検査
    患者の全身状態を把握するために一般的な血球検査と生化学検査を行うことがあります。内科治療で使えない薬がないか確認する目的や術前検査として行います。また免疫介在性の関節病が疑われる場合では、C反応性蛋白(CRP)•リウマチ因子•抗核抗体などの特殊な血液検査を行うこともあります。
    関節液検査
    免疫異常を原因とする関節病を診断するのに必要な検査です。肘、手首、膝、足首の関節から少量の関節液を採取し、その性状や成分、細胞などを調べる検査です。上述の特殊な血液検査と合わせて診断します。性格や痛み(症状)の程度に応じて鎮静処置が必要となることがあります。
    血超音波検査
    関節内あるいは関節周囲の構造を0.1mm単位で評価します。靭帯断裂、半月板損傷、周囲の軟部組織の異常、関節軟骨の損傷などが確認できます。レントゲンでは写らない程度の微細な異常の検出に優れています。
    関節鏡検査

    関節内の構造をリアルタイムで描出できます。手術中にも目視できない関節の奥の病変を拡大して確認することが可能となります。検査には全身麻酔が必要となりますが、5mm程のポートを1〜3ヶ所開けるだけですむため、痛みも少なくとても低侵襲な検査です。

整形外科手術について

当院での整形外科手術は主治医とともに整形外科チームが連携して実施します。飼い主様のご希望に合わせて病気や手術内容の詳細を整形外科チームの獣医師からも再度説明させていただくこともできます。
整形外科手術は極めて正確な術前計画と特殊な技術を必要とされます。当院では術前計画からチーム内で検討を重ねて手術に臨み、最新の整形外科機器を用いて手術を行います。また整形外科手術の大半は中程度〜重度の痛みに分類され長時間にわたる手術です。当院ではブロック麻酔や硬膜外麻酔などを通常の全身麻酔管理に合わせて行い、術前からの積極的な疼痛コントロールと全身麻酔の悪影響を最小限にする方法を取り入れています。

術後のスケジュール

術後は約一週間の入院管理が必要となることがほとんどです。入院中からのリハビリテーションを開始し、退院後のご自宅での生活の準備を進めていきます。退院後は約2週間〜1ヶ月ごとの検診を通して患肢の機能回復を目指します。また術後経過の状況に応じてリハビリテーション科での治療をおすすめすることがあります。リハビリテーション科での治療は、通院していただき当院リハビリスタッフが施術するスタイルやリハビリスタッフから飼い主様に御自宅でできるリハビリ方法をレクチャーさせていただくスタイルなど飼い主様のご都合・ご要望に合わせて様々なプランを提示させていただきます。

整形外科 症例報告

当院の整形外科で実際に施術を行った症例の報告です。