耳にトラブルがあるとき、人は耳鼻科にいきますが、動物は・・・?
動物の耳の病気は皮膚病と関わっていることが多いため、動物の耳科は皮膚科医が担当します。
- 耳を痒がる、臭う
- 耳垢が多い、耳漏が出る
- よく耳を振る
- 外耳炎が治らない
といった悩みを抱えている方は是非ご相談ください
- 担当医
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平野、松田
外耳炎
「すぐ外耳炎になるから、常に耳のお薬を動物病院からもらっている」という方がいるかもしれません。
繰り返す外耳炎は、外耳炎を引き起こす原因を特定し、治療することが重要です。
外耳炎を治療しないと図のような悪循環になり、耳の穴が塞がることがあります。
さらに進行すると外耳から鼓膜を超えて中耳や内耳に炎症が広がります。脳神経への影響が現れ、体が傾いたり、目が揺れたり(眼振)、発作が起きたりします。
耳の穴が塞がってから時間が経ってしまいますと、薬や洗浄処置で元に戻すことができなくなり、手術が必要になります。
早めの治療で治し、適切に管理することが大切です。
外耳炎の検査
- 耳鏡検査:耳鏡を使って耳道から鼓膜まで観察します。耳垢、赤み、腫れ、腺の過形成の様子を確認します。
- 耳垢検査:耳垢内の菌、ダニ、カビを調べます。
- 耳内視鏡(オトスコープ)検査:従来の耳鏡よりも鮮明に耳道内と鼓膜を観察でき、異物がないか、鼓膜の様子から中耳に異常がないかなどたくさんの情報を得られます。
これらの耳の検査や身体検査で、外耳炎を引き起こす原因を特定していきます。
外耳炎の治療
外耳炎を引き起こす原因にはアレルギー性疾患、脂漏症、異物、耳ダニの感染、内分泌疾患などがあり、そこに菌の感染や不適切な洗浄ケアなどたくさんの因子が関わり、難治性、再発性の外耳炎を起こします。
それらを明らかにし、治療していきます。
食事の管理、適切な洗浄、点耳、内服薬、駆虫薬を用いて治療を行います。
耳内視鏡(オトスコープ)の治療
麻酔下で耳内視鏡(オトスコープ)を用いて以下の治療することができます。
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Step01徹底的な洗浄
耳道環境を正常に戻すには徹底的な洗浄が有効です。オトスコープでは鉗子やチューブを用いて、通常の耳掃除では取りきれない汚れもきれいにすることができます。
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Step02異物の除去
わんちゃんは、散歩で植物の芽が耳の中に入ってしまい外耳炎になっていることがあります。オトスコープでは鉗子で容易に異物を摘出できます。
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Step03腫瘍やポリープの生検・切除
腫瘍やポリープが耳道にでき、通気が悪くなることで外耳炎が起きることがあります。良性のポリープでは、オトスコープを用いて、手術をせずに摘出することができます。腫瘍の場合は一部の組織を切除生検し、病理検査を行い、さらなる治療プランを立てることができます。
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Step04中耳の評価
慢性化した外耳炎では中耳炎を併発することがあります。オトスコープでは鼓膜の先の中耳の評価をすることができます。中耳炎の場合はCTやMRIの評価が必要になることがあります。