歯列矯正
こんにちは。獣医師の石田です。
今回は歯列矯正についてご紹介します。
人では歯並びやかみ合わせの調整のために
歯列矯正をするのが一般的ですが、ワンちゃんも全く同じです。
歯を移動させたり、並びきらない歯を抜いたりして
快適に過ごせるよう調整します。
画像は7ヶ月齢の子犬ちゃんです。
永久歯への生え変わりがうまく行かず、
乳歯が抜けないまま永久歯も生えてしまっています。
(黄緑○が乳歯、赤○が永久歯です)
この状態が長く続くと永久歯の移動がうまくいかないので
かみ合わせに多大な影響を及ぼします。
(これは小型犬には珍しくない症状です)
この子犬ちゃんの場合は、
乳犬歯(きば)が適切な時期に抜けなかったために
下顎の永久犬歯が舌側に生えすぎて、
上顎に当たってしまい傷を作っていました。
また、上顎につっかえていたので、
予定の長さまで生えることもできなくなっていました。
そこで、
上の犬歯は後ろ側へ(下の犬歯が生える隙間を作る為)
下の犬歯は頬側へ(上顎に刺さらないようにする為)
移動させる歯列矯正処置を行いました。
下顎の犬歯は上顎に当たることなく伸びることが出来、
上顎の傷も治りました。
生え変わりの時期にはこまめな確認が必要です。
(特に永久犬歯が乳犬歯の1/3の長さが生えてきても
乳犬歯が抜けない場合には、抜歯処置が必要です。 )
おとなのわんちゃんも、日頃から口の中をチェックしてみて下さいね。
汚れの度合い、歯や歯肉の色、口臭などを点検し、
異常が感じられたらすぐにご来院下さい。