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症例紹介

眼科

猫の感染性結膜炎

こんにちは、獣医師の髙木です。
今回は猫の感染性結膜炎についてご紹介します。

 

結膜炎が起こる原因は?

結膜炎は猫ちゃんの眼科疾患では最も多く、その中でも感染性結膜炎は”感染症の症状の1つとして眼に症状が現れている状態”を指します。
感染性結膜炎を引き起こす感染症とはいわゆる「ネコカゼ(猫風邪)」と言われるものです。
ネコカゼを引き起こす原因はヘルペスウイルス・カリシウイルス・クラミジア・マイコプラズマ等の病原体です。感染経路は感染猫との接触が主にあげられますが、多岐にわたります。
免疫力が十分な大人の猫ちゃんは感染していても発症することは少ないですが、新生仔や高齢の猫ちゃんなど、免疫力が弱かったり落ちていたりすると発症しやすくなります。
また、これらの病原体の一部は潜伏感染(※)をするため、症状が改善しても免疫力が落ちると再発することがあります。
※潜伏感染とは、持続感染の一つで、症状は示さないが体内に病原体が存続している状態を言います。

 
 

感染性結膜炎を発症しやすい猫種

どの猫種でも発症する可能性があります。

 
 

検査内容

視診・フルオレセイン染色検査・検眼鏡検査・結膜スワブ検査などを行います。
→眼の検査については眼科のページを御覧ください。

 

治療方法

内科治療

抗生剤点眼を行います。抗生剤点眼で中々治りが悪い場合、抗ウイルス剤や抗ウイルス作用のあるサプリメント等で改善がみられることもあります。

外科治療

重度の結膜炎で結膜と眼球がくっついてしまった場合(結膜癒着)、外科的に癒着を剥がします。まれに術後に結膜癒着が再度生じてしまうこともあるため、何度か手術を繰り返し行うケースや癒着が部分的に残るケースなどもあります。

 

 

症例紹介:当院で治療した感染性結膜炎症例の経過

<感染性結膜炎により重度の結膜浮腫を起こした仔猫の症例>

  • 雑種
  • 推定 3ヶ月齢
  • 症状:眼が開かない
検査結果

視診にて、両眼に重度の結膜の腫れを認めました。結膜と眼球の癒着はありませんでした。

診断

・両眼:感染性結膜炎 疑い

治療内容と経過

両眼に抗生剤点眼を行ったところ、7日目には両目の結膜の腫れはかなり改善しました。

治療3日目 治療7日目