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症例紹介

呼吸器科

猫の鼻咽頭狭窄

こんにちは、獣医師の布川智範です。

本日は猫のいびき呼吸や呼吸困難を引き起こす「鼻咽頭狭窄」という疾患の紹介を致します。

鼻咽頭とは呼吸器区分のうち、鼻の奥、喉の手前の呼吸の通り道になります。(図の丸印)

この部分に閉塞や狭窄が生じると、ズーズーという

いびき呼吸や、寝ている時に呼吸が苦しく起きてしまうといった症状が出ます。

鼻咽頭狭窄という病気は、この鼻咽頭に炎症反応が起こり硬い膜状の組織ができてしまい、閉塞を生じます。この反応はウイルス感染や胃酸の逆流によって起こると考えられますが、原因が特定できないこともあります。若い猫から10歳以上になってから診断されるケースもあります。

 

 

バルーン拡張術を実施した症例

数年前より鼻がつまった呼吸があったが原因はわからなかった。呼吸困難を示すようになり当院を受診されました。

頭部レントゲン検査

咽頭のスペースが拡張し、気道閉塞が考えられました。(右図)

 

 

 

 

 

いびき呼吸があるため、鼻咽頭を精査するため内視鏡検査を実施しました。

内視鏡で鼻咽頭部の狭窄が確認されたので、猫の鼻咽頭狭窄と診断しました(下左図)

診断後にバルーン拡張術を実施し、狭窄部を拡げました(下右図)

バルーン拡張術

X線透視化でバルーンカテーテルを鼻咽頭部に誘導し、

狭窄部位でバルーンを拡張します。(右図)

 

 

症例のまとめ

猫の鼻咽頭狭窄におけるバルーン拡張術は他の外科的な治療方法に比べ、侵襲性が低く、麻酔時間も短くて済むメリットがあります。狭窄が再発する報告もあるため、経過観察を行っていく予定です。

猫でいびき呼吸があって苦しそうな場合には、鼻咽頭部のトラブルの可能性があるため、当院にご相談ください。